TOKYO ROPE RECRUITMENT 2025

営業系対談

すべては安全・安心のために。確かな信頼が未来をつなぐ。

どれだけ高性能な製品であっても、お客様のニーズに応えることができなければ意味がない。
実際に製品を使用している人が大切にしていることは何か?それを技術で叶えるにはどうすればよいか?
お客様の思いを熟知し、社内の製造部門との橋渡しをする重要な役割が営業担当だ。
今回、東京製綱の営業担当者2名に集まってもらい、仕事について赤裸々に語り合ってもらった。

中川 航平

KOHEI NAKAGAWA
DEPARTMENT :
東京製綱繊維ロープ株式会社 東京営業所
JOINED YEAR :
2011年入社
EDUCATION :
政治経済学部 政治学科 卒

山口県宇部市出身。幼少期に関門海峡にかかる関門橋の大きさに圧倒される。以来、「形の残るものをつくりたい」という思いを抱き、東京製綱の高い技術力に惹かれ入社を決意する。

伊東 寛貴

HIROKI ITOU
DEPARTMENT :
鋼索鋼線事業部 鋼索鋼線営業部
JOINED YEAR :
2018年入社
EDUCATION :
経営学部 市場経営学科 卒

小学生のとき、社会科見学で訪れた道路橋の建設・管理を行う企業で、橋を支えるワイヤロープの話に感銘を受ける。就職活動で鉄鋼・インフラ業界を回る中で東京製綱の存在を知り、当時の記憶から入社を志望。

良好な関係が、信頼につながる。

QUESTION

お二人の現在の仕事内容を教えてください。

ANSWER
中川

久しぶりだね。元気にしてた?

伊東

お久しぶりです。はい、元気です。中川さんもお元気そうで何よりです。

中川

お互い大阪にいた頃は、週に2回は飲みに行ってたね。懐かしいなあ。

伊東

中川さんが東京製綱繊維ロープの大阪営業所、僕が鋼索鋼線事業部の関西支店にいた頃だから、2018〜2019年くらいですね。所属は違いましたが同じワンフロアのオフィスで働いていたから、中川さんには弟みたいに可愛がってもらいました。

中川

2018年に伊東くんが新入社員として大阪に配属されてきた当時は、年の近い後輩が入ってきてくれて嬉しかった。お、早速話が逸れてしまった(笑)。じゃあ、伊東くんから。

伊東

ワイヤロープの販売に携わっています。お客様は、当社のワイヤロープを部品として採用してくださっているクレーンメーカーなど。要望をヒアリングし、求められる性能を満たすワイヤロープを提案するのが主な仕事です。クレーンを用いる工事現場や造船所、ワイヤロープを用いる遊戯施設のある遊園地など、製品が使用される場所はさまざまですね。

中川

それだけ幅広いと、求められるワイヤロープの種類も多岐にわたるよね?

伊東

はい。ワイヤロープは、一本のワイヤを何十本も撚り合わせてつくる複雑な構造。撚り合わせ方や使うワイヤの数、ワイヤの強度などで性能が全く変わってしまいます。ワイヤロープだけで50種類以上も製品がありますし、本当に奥深い世界だなと。

中川

50種類以上の製品をすべて頭に入れているのはすごいよ。

伊東

僕もまだまだ完璧ではありません。特に入社したての頃は苦労しましたね。強度や寿命、使用環境、交換頻度など、お客様がワイヤロープに求めるものはさまざまですから。工場の各部署や技術サービス部門と連携を取りながら、最適な製品を提案しています。中川さんは、繊維ロープを扱っていましたよね。

中川

船舶向けの高機能繊維ロープだね。主に大型船舶を岸壁につなぎ止めるホーサーという製品を、船の運航会社に販売している。人が扱うし、海で使用するものだから、ワイヤロープより軽量で扱いやすく、耐久性もある高機能繊維ロープに需要があるんだ。また繊維ロープは錆止めのために油を塗る必要がないから海洋汚染を防ぐことができる。

伊東

タンカーは原油やLNG(液化天然ガス)などの危険物を運搬することも多いですから、ホーサーには高い品質や安全管理が求められるでしょうね。

中川

そうだね。一度購入したら10年以上は使われるもの。だからアフターフォローにも力を入れているよ。販売後には、船の航海を陸上で管理する監督者から、ロープの使用方法などについて問い合わせが来る。それにはなるべく早く回答して、安心して製品を使用していただけるように心がけている。他にも、ロープの強度がどれくらい落ちているかを試験して、データをもとに交換時期をアドバイスしている。

伊東

製品寿命が長いから、お客様とも長いお付き合いになると。

中川

お客様と良好な関係を継続することが、信頼につながるし、10年後の注文にも貢献できる。次世代にバトンをつなぐことも、自分の大切なミッションだと思っているよ。

「現場」でしか分からないこと。

QUESTION

これまでの仕事の中で、印象に残っているエピソードは何ですか?

ANSWER
中川

新しい船が完成したときのロープの納入立会や、寄港地に泊まっている船のコンディションチェックで現場に行くことがあります。造船所の方や本船の監督者から、「東京製綱の製品は品質が高くて、アフターフォローも非常にしっかりしている」とお声がけいただくことが多いです。さまざまな船に乗る船の運航会社の方から「東京製綱のロープを使ってるなら、この船は安心だな」と言われたときは嬉しかったですね。

伊東

お客様に直接褒めていただけると何より嬉しいですよね。

中川

あと、実際に製品が使用されている大型船を見に行くと「こんなに規模の大きなものにうちの製品が使われているのか」と毎回感動する。船の運航に関わる多くの人の安全・安心を、当社のロープが支えているわけだから、やりがいや使命感を感じる。それと同時に「万が一、ホーサーにトラブルが起きて、本船のアクシデントにつながったら、取り返しのつかないことになる」と身が引き締まるよ。先人が築いてきた実績と信頼をひしひしと感じるし、それを自分たちもしっかり受け継がなきゃと思うな。

伊東

僕が印象に残っているのは、新人時代、初めて現場でのニーズの汲み取りから受注までつなげたときのことですね。製品知識がないから、上司から「現場で物を見てこい」とよく言われていた時期でした。

中川

それは俺も言われたなあ。現場を知らない営業マンの発言は説得力がないから、「どこでもいいから行って見てこい」って。当社の繊維ロープはレスキュー用ロープとしても使われているから、先輩と二人で消防隊員の参加する、消防救助技術大会を見に行ったこともある。

伊東

僕は造船所を視察させてもらいました。クレーン用のワイヤロープがあちこちで使われていたんですが、造船所の作業員の方から「このワイヤロープはまだ使えそうですか?」と聞かれました。錆も出ているけど、私には廃棄すべきなのか見た目からはよく分からない、と。

中川

まだ新人だった伊東くんが使用可否を見定めるのは難しかったんじゃない?

伊東

その通りです。恥ずかしながらその場では回答できず、ひとまず写真を撮って技術サービス部門に相談しました。後日、技術サービス部門の担当者と現物を確認して「使用不可」と判断し、報告書を提出して交換(受注)にいたりました。お客様から感謝の言葉もいただきましたし、現場でのコミュニケーションの大切さを知った出来事ですね。

中川

現場の方も「メーカーの人が来たからちょっと聞いてみよう」ということがあると思う。わざわざ電話して聞くほどでもないけど、ちょっと気になることがある、とか。そこで困っていることを解決してあげると、すごく喜ばれるし、信頼関係も生まれる。売って終わりではなく、いつも「かゆいところに手が届く」存在でありたいね。

正直に、誠実にお客様と向き合う。

QUESTION

仕事において大切にしていることを教えてください。

ANSWER
伊東

「大局を見ること」ですね。営業はお客様だけでなく、社内も含めた広い視野で物事を見る必要があります。お客様からの要望に対して「YES」と言うのは簡単です。でも実際は、求められたスペックが実現できるのか、完成品をお客様のもとまでどのように運ぶのかなど、考えねばならないことは多岐にわたる。社内の関連部署の意見も踏まえ、広い視野で判断することで、いい結果が生まれるのだと思っています。

中川

「お客様が喜ぶから」と無理をしても、いつかほころびが出る。それは本当の意味でお客様のためにならない。理想論かもしれませんが、売り手(当社)、買い手(代理店・お客様)、そして社会(市場・環境)がみんな幸せになる“三方良し”の精神でいたいと思っています。

伊東

東京製綱の企業理念も「共存共栄」ですしね。中川さんは、他に仕事で大切にしていることはありますか?

中川

大前提ではあるけど、「安全」を最優先に考えているよ。例えばお客様から「100トンに耐えうる繊維ロープを提案してください」と、最低限のスペックだけ提示されたとする。繊維ロープの材料はナイロンやポリエステルなど何種類もあるし、当てはまる製品の数は膨大になるけど、すべてを提案するわけではない。使用方法などを具体的に聞いて、可能な限りリスクの少ない製品を提案することを心がけているよ。あとは「正確な情報を伝えること」かな。

伊東

正確な情報?

中川

分からないことは素直に「分からない」と答えて、関連部署に確認してから正確な情報を伝えるようにする。お客様に「分からない」と答えることに抵抗を覚える人もいるけど、変に見栄を張って知ったかぶりをする方が危ないからね。さっき伊東くんが話していた新人時代のエピソードだって、ちゃんと「分からない」と言ったわけだから、正しい振る舞いだと俺は思う。あらゆる仕事に当てはまると思うけど、正直に、誠実にお客様と向き合うことが、長期的に見てプラスに働くのだと思うよ。

前例を超えた新しい価値を。

QUESTION

これからの目標を教えてください。

ANSWER
伊東

東京製綱は創立から135年以上の歴史があり、古くから付き合いのあるお客様も多くいらっしゃいます。ビジネスにおいて、前例を踏襲することはもちろん大切ですが、それだけでは新しい価値を生み出すことは難しい。そのやり方は本当に今の時代に合ったベストなものなのか、人々の安全・安心に貢献するためにはどうすればいいのか、常に自問自答しながら研鑽を続けていきたいですね。

中川

時代の変化といえば、繊維ロープ事業では、再生可能エネルギーとして注目されている洋上風力発電市場への積極的な取り組みを行っているよ。また現在、脱炭素の観点から、アンモニアや水素による発電が検討されている。そうなれば、大量の燃料を運搬する船が必要になり、高機能繊維ロープのホーサーが活躍する場面も増えるはず。既存のお客様との関係性を強固に保ちつつ、国内外問わず新規のお客様にも積極的にアプローチしていかなければと思っています。

伊東

最近は製品に関してだけでなく、船会社から「国際的な港湾ルールについて教えてほしい」というオファーも受けていますよね。ホーサーの安全基準について勉強会を開いて、意見を交換したり。これも新しい取り組みだなと注目しています。

中川

東京製綱が持つノウハウが船の安全運行に貢献できるのは嬉しいことだし、営業的にも関係性をつくれるメリットがある。港湾ルールの書類は全部英語だから、もっと英語を勉強していかないとな。それと……最近運動不足だから、趣味の空手も頑張らないと。

伊東

おかげさまで今日はいい日になりました。

中川

こちらこそ、久しぶりに話ができて楽しかったよ!またときどきこうやって話せたらいいね。

135年以上におよぶ東京製綱の歴史、その長い年月の中で受け継がれてきたものは技術だけではありません。
お二人のような営業担当が正直に、誠実にお客様と向き合い築き上げてきた「信頼」こそ、
技術と同じくらい大事なものであると感じました。本日はありがとうございました。