TOKYO ROPE RECRUITMENT 2021

技術系座談会

志を、ともに。ワイヤロープの道をゆく。

東京製綱の技術系社員。彼らは仕事のどんな部分にやりがいを感じているのだろうか。
ワイヤロープの製造に実直に向き合う3名の話を通して見えてきたのは、
業界のリーディングカンパニーであり続ける東京製綱の素顔だった。

木根 弘起

HIROKI KINE
DEPARTMENT :
土浦工場 品質管理部 技術グループ
JOINED YEAR :
2011年入社
EDUCATION :
工学研究科 金属フロンティア工学専攻

大学院では「アルミニウムの圧延加工」に関する研究を行う。就職活動に際しては、その知識を生かすことができる金属加工メーカーを志望。橋梁やロープウェイをはじめとした製品群で、社会インフラを支えている東京製綱のダイナミックな事業展開に興味を抱き、入社を決意。

神保 貴行

TAKAYUKI JIMBO
DEPARTMENT :
技術開発本部 研究所
JOINED YEAR :
2016年入社
EDUCATION :
工学部 環境科学研究科

大学では「鉄」、大学院では「水素貯蔵合金」に関する研究に没頭する。より強い興味を持てたのが「鉄」の分野だったため、関連する企業に就職先を絞る。橋梁やエレベーターなど、最終製品の性能に直結し、かつ幅広い分野で使われる製品をつくっている点に惹かれ、東京製綱を志望する。

熊井 孝典

TAKANORI KUMAI
DEPARTMENT :
土浦工場 製造部 製綱課
JOINED YEAR :
2011年入社
EDUCATION :
工学研究科 機械工学専攻

大学院時代の研究テーマは「ポリカーボネートを用いた軸接手の接合」。そのため、材料加工関係の製造業を中心に就職活動を進める。ワイヤロープの製造販売を主軸としながら、各種エンジニアリング製品やスチールコードなど、多様な事業部で構成されていることや、気さくで飾らない社員に魅力を感じ、東京製綱への入社を決める。

「理論」と「現場」を両立し、理想のワイヤロープへ。

QUESTION

本日はよろしくお願いします。まずは仕事内容について教えてください。

ANSWER
木根

よろしくお願いします。私と熊井さんは同期。そして、私と神保さんは学生時代の先輩・後輩にあたります。何とも不思議な組み合わせです。

熊井

こんな風に改まって話したことがないから、少し気恥ずかしいね(笑)。

神保

そうですね(笑)。

木根

では、神保さんからお願いします。仕事内容について。

神保

はい。技術開発本部に所属し、高性能のワイヤ研究に従事しています。中でも「橋梁用ワイヤの高強度化」が私の研究テーマです。基本的に、ワイヤは高強度かつ細く軽いものが良しとされています。ただ橋梁においては、風の強い海や川に設置されるため、それに用いるワイヤロープはある程度重量がないと揺れたりして危険です。その他にもさまざまな要因が複合的に加わってくるのが橋梁用ワイヤロープです。なので、重量や強度などの多様な要求に応えるべく、ワイヤの試作・実験を繰り返しながら、機械的性能を最大限に引き出すための方法を探っています。

木根

品質管理部の技術グループで、工場の技術サポートを行っています。具体的には、製造工程における不具合の原因究明および解決をはじめ、生産技術の最適化、品質改善など多岐にわたります。お客様と直接関わることが多く、相談事の解決にあたることも少なくありません。製品に関するご要望をいただいた際は、実験計画を組み、現場と協働で試作を行うこともあります。

熊井

私は製綱課に所属しており、ワイヤロープ製造の最終工程である「撚り工程」を担当しています。その中で、受注にはじまり、生産計画および生産条件の登録・管理、在庫管理、出荷までを担う生産管理システムの保守改善が役割です。

木根

神保さんが製品を開発し、私が詳細な条件設定などを行った上で生産技術に落とし込む。そして、でき上がった製品を安定生産するために、熊井さんが工程をシステムで管理する。簡単に説明すればこういう構図になりますね。しかしながら、実際は簡単に事が運ぶわけではない……。

神保

そうですね。性能基準を満たす製品を新たに開発するだけでも、時間と手間がかかります。そして、やっと試作段階で理想の性能が示せたとしても、いざ現場での製造段階に入ると予期していないことが発生し、基準を下回ることが往々にしてあります。

熊井

うん、うん。現場では作業難易度や製造設備の状態など、さまざまな要素が大きく影響してくる。なので、ワイヤロープ製造は確かな理論と同時に、現場の目というのも欠かせません。この両輪があってこそ、理想のワイヤロープをつくることができます。

当たり前をつくるということ。

QUESTION

仕事をする上で困難はつきものということですね。そのような中で働く原動力となっているものは何なのでしょうか。

ANSWER
熊井

「目立たない。けれども、世の中に役立つ大切なものをつくっている」。その実感が原動力になっています。

木根

私もその部分が原動力であり、働くやりがいになっていますね。エレベーターやロープウェイに乗るときに、わざわざワイヤロープに目を留める人は少ない。なぜなら当たり前の存在だから。でも、ワイヤロープがなければ、それらはインフラとしての機能を果たすことができない。その製造に携わるのは非常に意義あることだと思いますね。

神保

やっぱり日頃から感じていることは3人とも同じですね(笑)。私も同じ考えです。また、製品のスケールが非常に大きい。私が開発を行うワイヤはあくまで試作ですが、それでも毎回数トン単位でつくられます。その後、製品になるとその100倍以上の規模で生産され、世界各地のインフラに使われることになります。

木根

あとは、水産用にめっきをしたワイヤロープやベッドに使われるスプリングワイヤなども手がけていて、目につかない意外なところに生かされている。これもまた人に注目されることはあまりないですが、「実はすごい」という製品ばかりで、とにかく心をくすぐるよね。

神保

そもそも、純粋に面白いですよね、ワイヤロープって。ワイヤ一本、撚り方一つで、大きく性能が変わってくる。つくづく奥が深いと思います。

熊井

だから知れば知るほど、のめり込んでいくんだろうね。学生時代、材料加工に関して勉強したけど、まさかここまで興味深い分野だとは思いもしなかった。

木根

全くその通り。

失敗の先にある、成功の糸口。

QUESTION

これまでの仕事の中で印象に残っているエピソードを教えてください。

ANSWER
木根

土浦工場において、2つの伸線機を新しく導入したことです。伸線機とは、ワイヤを伸ばして強度を引き出す際に必要な設備です。仕様の決定から立ち上げ試運転まで、プロジェクトチームのメンバーや現場の方々と意見を出し合いながら進めていきました。たくさんの人が関わって進めた分、プロジェクトが完遂したときの喜びはひとしおでした。

熊井

私も新設備の導入に関わったことが思い出深いかな。といっても、私の場合は国内工場ではなく、ベトナム工場の設備です。私は2011年入社なのですが、その年の11月からおよそ5年間、「東京製綱ベトナム有限責任会社」の技術部に配属されました。まず、入社して半年にもかかわらず海外赴任となったことに驚きましたね。それにお恥ずかしながら当時パスポートを持っていなかったので、大急ぎで取りに行きました(笑)。

木根

(笑)。ベトナムの工場では主にエレベータ用ワイヤロープをつくっているよね。

熊井

うん。それで、赴任してすぐに、ワイヤの加工設備の導入プロジェクトを任された。それまでは土浦工場で加工されたワイヤをベトナム工場に輸送し、それを撚り合わせてワイヤロープをつくっていたのだけど、効率やコストを考えて現地にワイヤ加工設備を置くことになったんだ。

神保

プロジェクトを進めるにあたって、どんなことが大変でしたか?

熊井

現地には気軽に相談できる相手が少なかったことだね。日本の工場は経験豊富な人が多く、不明点や疑問点があればすぐに相談できる。でも、ベトナムでは経験豊富な人が少ないから、うまくいかないときは自分で解決するしか方法はない。大変ではあったけど、ベトナム人の現地スタッフの方々と密にコミュニケーションを取り合いながら、無事に設備を立ち上げることができた。スタッフ全員で分かち合った喜びは今でも忘れられないな。あと、設備の操作方法などの研修のために、現地スタッフ数名を日本に連れてきて、土浦工場の社員寮で1ヶ月半生活をともにしたのも良い思い出。

木根

神保さんの印象に残っているエピソードは何かな?

神保

ワイヤの開発で試行錯誤しているとき、ふと思いつきで試作を現場に依頼したことがあります。すると、現場の方は即席で簡易的なキットをつくってくれました。それが成功につながったというわけではないですが、このときの結果に手ごたえを感じ、次の実験に生かすことができました。

木根

そうした発想の積み重ねによって、少しずつ成功に近づいていくのかもしれないね。

神保

はい。この経験を通して、研究開発というのはトライ&エラーを繰り返しながら成功の糸口を見いだしていく仕事であると、改めて感じました。また、思いつきのアイディアにもかかわらず、熱心に耳を傾けてくれる現場の方々の人柄の良さを実感した出来事でもあります。

一体感を、力に変えて。

QUESTION

仕事をする上で大切にしていることは何でしょうか。

ANSWER
神保

好奇心を持ち続けることです。まだまだ知らないことが多いワイヤ開発という分野ですが、知らないことを心から面白がることが大切だと思っています。先ほどのエピソードにも通じるのですが、普通なら失敗と捉えられる実験結果でも、“面白い”と思うようにしています。また、試作を行うときは現場の方々に協力してもらうので、思うだけではなく「面白い結果が出ましたね」と声に出し、雰囲気づくりも意識しています。せっかく協力してくれた皆さんに、少しでも前向きに、面白がって、仕事に取り組んでもらいたいので。

木根

私は現場との一体感を大切にしています。ワイヤロープの製造に携わる者にとって、安全・安心な製品をお客様に提供することは揺るぎないミッションです。社員全員でさまざまな場面で協力し合い、助け合う。この一体感によって、私たちはこれまでたくさんのミッションを成し遂げてきたといえます。

神保

木根さんが言うような一体感は、工場の現場のみならず、研究所もそうですし、東京製綱全体としていえることですね。「より丈夫なロープを皆でつくり上げていこう」という活気が、職場には常にあります。目標や志が同じだからこそ、部門の垣根を越えて仲間とともに切磋琢磨しながら、仕事に励めているのでしょうね。

木根

製品をつくるためには、もちろん高性能な設備も重要。でも、東京製綱が業界のリーディングカンパニーであり続ける理由は、こうした一体感が他のどこよりも強いからだと私は思う。

神保

ちなみに、一体感を高めるために心がけていることはありますか?

木根

初歩的なことではあるけれど、あいさつ! これに尽きる。現場でもオフィスでも、すれ違う人には必ずする。あと、あいさつをきっかけとした、こまめなコミュニケーションも大事にしているよ。仕事に関してはもちろん、仕事以外の話も。ときにはくだらないことまで(笑)。そうすることで、業務が円滑に進むし、現場から改善のテーマを提案してもらうこともある。熊井さんはどう?

熊井

私の仕事はシステムの管理を行うことなので、ともすればほとんど現場に行かないと思われるかもしれない。でも、製品をつくっているのは現場であり、必然的に現場に行かなければ分からないことが多い。管理システムに不具合が起こった際も、すぐに現場に足を運び、現場の方々と一緒に解決していく。だから私も木根さんと同様、あいさつやこまめなコミュニケーションは大切にしているよ。

QUESTION

最後に、これからの目標を教えてください。

ANSWER
木根

現在土浦工場では次々に新設備を導入し、生産の効率化を加速させています。今後はこれら高性能な設備と、社員の一体感を武器にして、東京製綱の製品をもっと世界に広め、社会に貢献していきたいです。また個人的な部分では、とにかく目の前の業務に一生懸命に取り組み、自分の技術レベルを上げていきたいです。そして同僚や上司から頼りにされる存在になりたいですね。

熊井

今携わっている生産管理システムをもっと向上させ、さまざまな課題を解消し、お客様に満足していただける生産体制の強化に努めたいと思っています。

神保

私は研究開発において、残念ながらまだ自分のテーマを製品レベルまで落とし込めたことがありません。なので、自らの手で開発したものを製品として世の中に送り出すことが夢です。実現するまでに何年かかるか分かりませんが、さまざまな人と一致団結し、いつか叶えたいです。

木根

仕事内容こそ異なるけど、「より良いワイヤロープをつくりたい」という志は同じだから、これからもお互いに刺激を与え合って成長していけたら嬉しいね。

熊井

「志は同じ」かあ。かっこいいこと言うね。

神保

ときに道のりが険しくなることもあると思いますが、どんなに大変であれ、努力を続けていきたいですね。

木根

そうだね。それと話は変わるけど、今回せっかくこのような機会をいただいたことだし、定期的に3人で飲みに行ったりしますか!

神保

賛成です!

丈夫なロープをつくるためには、高性能な設備は必要不可欠。
しかし、それだけでなく、志をともにした社員一人ひとりが生み出す「一体感」も重要です。
それこそが、これまでも、そしてこれからも東京製綱が業界をリードし続ける大きな理由であると感じました。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。